概要

Beyond 2050 #未来を動かす原動力になろう

Beyond 2050とは?

京都大学は、1200年続く京都の地において培われた叡智を活かし、
2050年以降も通用する新たな価値基準の創出に取り組んでいます。
その一環として、Beyond 2050構想室では、
2023年11月から6回シリーズで
分野横断シンポジウム「プロローグ」を開催し、
未来を共創するうえでの重要な考え方を導き出しました。

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  • 歴史の重要性
    ~未来を考えるために
    過去を知る~

    例えば、戦国時代からの町の変化や給食が生まれた経緯などを振り返ることで、現状を理解し、新しい方向性を見出すことができます。また、ルネサンス、宗教改革、科学革命といった「西欧近代」が そのものは、14世紀の黒死病パンデミックの余波として始まったとされるように、長い歴史を踏まえると、人類は過去の延長線上にある見通しの良い一本道を歩んできたわけではなく、さまざまな危機に直面しては、社会変革を起こし、新しい価値観を獲得してきたことがわかります。その両面から歴史は、未来洞察に不可欠な要素だといえます。

  • 常識を疑う姿勢
    ~既存の枠組みから離れた
    自由な発想~

    • 医療を見直し、健康とは何かを再定義する。
    • 脱炭素だけではない、持続可能な未来に資する研究開発にも投資する。
    • 家事や育児、介護のように経済で軽視されがちな活動を評価する仕組みを作る。
    • 防災ではなく、災害が起きにくい社会そのものを目指す。

    未来を考えるには、“今の”常識にとらわれない柔軟な発想が求められます。

  • 哲学の視点
    ~科学技術と人類の幸福~

    これまでは、神の領域として実現不可能とされてきた「汎用型性AI(シンギュラリティ)」「ヒトの生殖」などの研究開発は、猛烈な勢いで進んでいます。一方、テクノロジーによる人為的存亡リスクの方が、隕石の飛来や大地震など、自然的存亡リスクより人類文明の存続を脅かす可能性がはるかに高いことが示されました。よりよき世界に貢献する方向にテクノロジーの進展を促すために、研究者は勿論のこと一人ひとりが倫理観を持って市民の役割を果たすことが重要です。

  • 学際的な研究グループの組成と運営
  • 分野横断型シンポジウムの開催
  • 産学連携プロジェクトの推進
  • 社会課題解決に向けた政策提言
  • 学外のみなさまへ
    • 寄付による研究支援
    • コンソーシアムへの参加
    • 共同研究・事業の実施
  • 学内のみなさまへ
    • 研究グループへの参加
    • 新規プロジェクトの提案
    • 関連シンポジウムの共催

Beyond 2050構想室 室長・京都大学特任教授石原 慶一

Beyond 2050構想室 室長・京都大学特任教授 石原 慶一

2050年は二酸化炭素排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル達成の目標年です。
カーボンニュートラル達成に向けた技術開発や制度設計など様々な取り組みがなされています。
しかし、カーボンニュートラルが達成された後の社会やエネルギーシステムについてはほとんど語られていません。
我々はカーボンニュートラル社会にも様々な形があり、理想とすべき社会を定めたのち、それを実現する取り組みを行うべきだと思っています。さらに、大きな社会変革はエネルギーシステムにとどまりません。例えば、内閣府では9つのムーンショット目標を定めています。そこでは健康、災害をはじめ様々な制約から解き放たれる社会がそれぞれ想定されています。
しかし、これらの社会に共通点は見出せません。我々は、このような科学技術が実現されたのちの社会について、あらゆる学問の最新の成果を踏まえ、多方面から検討し我々の目指すべき社会を提示し、その社会の実現の妨げになるような課題を明らかにし、それを克服するための新しい取り組みを進めてまいります。
趣旨にご賛同いただけるみなさまからの物心両面のご支援(👉こちら)をお待ちしています。