イベント

6/7開催「Beyond 2050プロローグ第4節~京都大学が描く未来の経済」

未来の経済を考えるうえで、技術革新、人口動態、気候変動、政治社会情勢など様々な外的要因を考慮する必要があります。気候変動や社会保障費の増加など喫緊の課題に企業はどう対応すべきか、近年の著しい進展を遂げているデジタル技術がどう活用できるのか、あるいはさらなる課題を引き起こすのか。わたしたちがよりよいと思える社会を形成するためにどのような経済がふさわしいのか考えます。 →チラシ.pdf

日時
2024年6月7日(金)14:30~17:30
※録画上映会6月14日(金)17:00~18:30
会場
KANDA SQUARE(東京都千代田区) ※録画上映会(本学吉田本部)
申込者数
99名(うち、録画上映会16名)
参加総数
81名(うち、当日60名 録画上映会6名 関係者延べ15名)

パネリスト

「数理科学と情報科学は分野横断研究をどのように変容させるのか?」
総合生存学館 教授 池田 裕一

京都大学大学院総合生存学館では、人類生存のためにグローバル課題を解決するための分野横断研究領域として、総合生存学(HSS)を提唱しました。しかし、未来に内在する不確実性に対応するには、現在のHSSのアプローチでは不十分かもしれません。そこで、HSSのアプローチに数理科学、情報科学、人工知能を導入することで、現象の解明から次のステージへのステップアップを図ります。本講演では,(i)未来を予測し、(ii)民主的に合意形成し、(iii)最終的に不確実な未来を制御するためのHSSの学理を説明します

未来の経済の描き方
公共政策大学院 教授 岩下 直行

近年、気候変動は企業経営において重要な課題とされています。企業がこの問題に対処するためには、通常の経済分析に比べてより長期的な視点が求められます。企業は、将来の経済活動、科学技術の進展、社会制度の変化を高い精度で想定しつつ、未来をどのように形作るかを検討しなければなりません。このプロセスを怠ると、科学的な分析とは呼べない、単なるイメージ戦略に陥ってしまいます。本講演では、主として企業の気候変動への対応をテーマに、通説に捉われない新しい視点で、「未来の経済」をどう考えるべきかについて議論します。

ウェルビーイングをめざす経済~フェミニスト経済学の視点から」
経済学研究科 講師 岩島 史

女性活躍が叫ばれて久しいが実現は遅々としていて、少子高齢化も止まりません。理由の一つは、合理性・効率性・経済成長という今の「経済」の論理と、子を産み育てるという営みとが矛盾していることにあるのではないでしょうか? 資本主義の論理の視野の外におかれてきた労働力、世代、生活、コミュニティ、自然環境といった広い意味での「再生産」とケアに目を向けるフェミニスト経済学の視点から、ウェルビーイングの実現をめざす経済のあり方について考えてみたいと思います。

ファシリテーター

成長戦略本部
特任教授 石原 慶一

コメンテーター

日本銀行 金融機構局 
企画役 橋本 崇さま

参加者アンケートより 

自由意見

質問形態に疑問。質問者の意図を外す可能性大。従前の挙手方式がよい。
Beyond 2050の議論を中心にしてほしい。
遅れて参加したため、池田先生の講演が聞けなかったのが残念です。
高度な専門知識が必要なく楽しめました。ありがとうございました。
他の方からのものも含め、質問を共有していただけると嬉しいです。
登壇者を1人減らして、各人の話題提供とシンポジウムをより充実できるのではないでしょうか?
「経済」にとどまらず、これからの社会を創っていく視点で語られていた点はよかった。
懇親会を開いて参加者が自由に意見を交換できる機会を設けていただきたい。

主催:京都大学成長戦略本部、京都大学人と社会の未来研究院
共催:学際融合教育研究支援センター